【メダカの餌】〜色揚げや成長に合わせた餌の選び方〜

    見に来てくださり有難うございます。
    湘南medakaのふみです。
    今回は『餌』についてです。

    目的によって餌に対する考え方は様々です。
    例えば、

    ・長生きをさせたい
    ・色揚げをしたい
    ・食いつきが良い魚が喜ぶ餌を与えたい
    ・水を汚さない餌を与えたい
    ・いき餌派or人工飼料派

    などなど。

    ここでは、飼育者がどんなふうに育てていきたいか、用途に合わせたおすすめの餌や与え方を紹介していきます。

    書きたいことが有りすぎて、だいぶ長くなってしまいました。

    お好きなところを読んでくださいね。

    目次

    【メタガには胃がない】

    まず知っておいて欲しいことは、『メダカに胃はない』ということです。

    メダカのような胃のない魚のことをそのまんま『無胃魚(むいぎょ)といいます。

    金魚、鯉、サンマ、イワシなども胃がありません。

    《胃のある魚とない魚の消化時間》

    ニジマスを使った実験では、54時間でほぼ胃の中が空になったそうです。
    胃のない金魚だと、食べたものにもよりますが、およそ2~3時間で体に消化吸収され排出されます。

    よくメダカの餌を与えるとき、『日が落ちる2〜3時間前までに与えないと消化不良を起こすよ』と言われているのはこのためなのでしょう。

    食べたものがすぐに吸収され排出されるということから考えられるのは、

    ・バランスの良い栄養分を効率良く消化吸収できる餌を与える。

    ・餌を食いだめすることができないので、理想の餌の回数は、少量を数回に分けて与える。

    ということです。

    『そんなのわかってるけどさー、何回もあげれないよー』って声が聞こえてきそうですね。
    生活リズムによっては、1日に1回しか与えられない方など、あげたくてもあげられない方が多いのではないでしょうか。
    僕も同じです。

    メダカは痩せやすい魚なので、夏場の活性が高い時期は、餌が足りないとすぐに体がほっそりとしてきます。
    そのようなときは、グリーンウォーターにしたり、高タンパクの餌を選び、休日だけはしっかりこまめに餌を与えたりすると痩せ細りを防ぐことができますよ。

    《メダカへの給餌(きゅうじ)方法》

    餌やりの基本は、残り餌がないように、少しずつ与えることです。

    残り餌が一番水を汚します。

    少しずつ与えると餌を食べるのが上手な強いメダカが先に食べてしまって、太ってる仔と痩せてる仔が出来てしまい、まんべんなく行き渡らないことがあります。

    そんなときは与える場所を2~3か所に分けて蒔くと良いですよ。

    魚の量や回数にもよりますが、2〜3分かけて少しずつ与えます。
    食いが悪くなってきたなと思ったときは与え過ぎなので、足りないかなと感じるくらいで大丈夫です。

    エサは100円ショップの調味料入れに移し替えて使っています。
    エサの量が調節できるのでとても便利です。

    入れ物を替えたときは劣化を防ぐため、日の当たらない場所にしましょう。

    【針子の餌】

    産まれたばかりの稚魚はお腹にヨークサックと言われるものがあり、そこから栄養を吸収します。
    餌はまだ食べないので、与えてしまうと残り餌で水が悪くなってしまいます。
    産まれてから3日くらいは餌を与えなくても大丈夫です。

    針子の時期で一番大切なことは、『飽和給餌することです。
    飽和給餌とは、いつでもエサが食べられる状態にすることを言います。

    メダカには胃がないのでエサを蓄えることができません。
    なので針子から稚魚にかけてはグリーンウォーターでの飼育が必須です。
    植物プランクトンを食べてくれることで餓死する確率は低くなり早く成長してくれます。

    グリーンウォーターに加えて、朝晩2回ゾウリムシを入れるとグングン成長してくれます。


    ゾウリムシは2Lのペットボトルで簡単に増やすことができます。
    ゾウリムシの培養は臭いがキツイのがデメリットだったのですが、豆乳での培養方法だと匂いもほとんど無いのでおすすめです。

    僕は毎日朝に1L入れ、夕方に次の日足す分水を抜くようにしています。

    良い水換えになって一石二鳥です。

    水替えの方法ですが、針子を吸い出さないように茶こしフィルターを使うと手っ取り早く排出できますよ。

    針子・稚魚用の人工飼料は調味料入れだと穴が詰まるので、プラスチックのスプーンを使うと手も汚れず量の調節ができ便利ですよ。

    僕が使用しているエサは「キョーリンメダカの舞 ベビー用」です。


    パウダー状できめ細かく、水面にパッと広がるのでとても与えやすいです。

    その他、餌としてPSBを入れる方もいますが、僕は正直バクテリアなど微生物を増やす目的以外の効果はよく分かりません。
    とても臭いので屋外飼育向けです。

    ゾウリムシはPSBでも増えるので、そういった点で屋外飼育のみPSBを併用しています。

    桜メダカさんのPSBはゾウリムシと同じく2Lのペットボトルで培養できます。
    2Lのペットボトルにエビオス錠を7粒入れ、日に当てておくと増やすことができます。
    保存がきくので1本あると何かと便利です。

    それと僕は必ず容器に一匹だけ、ヒメタニシを入れるようにしています。


    ヒメタニシは残り餌やコケを食べてくれたり、水質を浄化してくれる能力があります。
    一匹入れるのと入れないのでは、安心感が違います。
    メダカ飼育に欠かせない、良き相棒になりますよ。
    だだし、大量に入れすぎるとグリーンウォーターを透明にしてしまうのでグリーンウォーター化したい方は注意です。

    まとめると
    針子の餌はグリーンウォーターとゾウリムシをベースに、パウダー状の人工飼料を与える。
    ヒメタニシ一匹入れると残り餌を食べ、水質浄化もしてくれる。

    【稚魚の餌】


    稚魚になると餌の食いつきも良くなり、上手く餌を食べられる仔と食べられない仔の体格差がハッキリしてきます。

    朝に入れたゾウリムシもすぐにいなくなってしまうので、朝晩ブラインシュリンプをメインに与えています。
    人工飼料のみで育てたときより、体の大きさが均一になる気がします。

    針子と同じくグリーンウォーターで育て、活餌をメインに7:3位の割合で人工飼料を与えています。

    〈環境の変化でオスが増える〉

    2022年現在、様々な研究で分かっていることをざっとあげてみます。

    ・卵を32〜34度の高水温で飼育したときにオスが増える。

    ・鹿児島大学の研究員の論文では、緑色光を当てるとオスへ性転換する個体が現れる。

    ・名古屋大学の研究結果によると、餌を与えず脂肪の量を減らすことで、20%がオスへ転換した。

    オスばかり増えるという方は、こんな原因があるかもしれませんね。

    グリーンウォーターとゾウリムシでエサ不足を回避しましょう!

    【若魚から成魚の餌】


    ここまで来ると成魚用の餌も口に入る大きさになります。

    僕はクリヤーウォーターにし、『おとひめB2』や少し贅沢にキョーリン『メダカの舞シリーズ』を与えています。

    ここまで大きくなったら基本は屋外飼育で育てています。
    屋外飼育だと勝手にミジンコ、ボウフラ、赤虫などが沸くので活餌は与えていません。

    稚魚まで使っていたブラインシュリンプは色揚げ効果があり、親魚の選別が難しいのでやめています。
    水質悪化が一番怖いので、活餌で水を汚したくないという理由もあります。

    【食いつきの良いエサ】


    おとひめ

    日清丸紅飼料株式会社

    もうこれで良いんじゃないかと思う程良い餌です。
    とにかく食いつき抜群です。

    メダカ屋さんたちの多くが価格の面からも、この『おとひめ』を愛用しています。

    この会社はマグロやウナギなどの養殖魚の餌を扱っている会社です。
    人の口に入る、生き物の餌を研究開発している会社ですから、信頼性があります。

    僕も親魚以外はこの餌をメインに使用しています。

    水が汚れやすいと言われていますが、浮遊性ですし、少しずつ残り餌が出ないように与えれば気にはなりません。

    デメリットは業者向けの商品なので、正規の少量販売が無いのが残念です。
    2キロ入りなんて買っても使いきれませんよね。

    一般家庭で使うのは、ネットなどで売られている小分けされたものを買うことになります。
    ネットで購入する場合は、消費期限が分からない古い餌が売られている可能性もありますので注意してください。

    おとひめは粒の大きさによって種類が分けられてます。
    メダカ成魚には《B2》という粒のサイズを選びましょう。

    ・いき餌

    魚が一番喜ぶエサとして、ゾウリムシ・赤虫・ミジンコ・ブラインシュリンプなど活餌に優る餌はありません。

    とにかく食いつき抜群ですが、栄養が偏らないように人工飼料を併用して与えると良いでしょう。

    デメリットは水が汚れやすいので、定期的な水替えは必須です。
    そして採取したり沸かしたりと結構手間がかかります。

    それでも、稚魚を早く大きくしたい方や元気のないメダカには抜群に威力を発揮します。

    【色揚げ用の餌】

    ・メダカの舞 スーパーオレンジ

    朱赤系のメダカの色揚げで手っ取り早いのは餌による色揚げです。
    色揚げ用の餌にはアスタキサンチンやカロチノイドが入っていて、目に見える効果があります。

    デメリットは自然に発色した色の濃いメダカと比較すると、明らかに餌で色揚げされた朱赤になってしまいますが、
    特に気にならないのであれば餌での色揚げは
    とても有効です。

    みゆき系のメダカの色揚げ用にグアニン配合の餌もあります。
    僕は試したことがないので効果は分かりませんが、成長過程の稚魚に与えて調べて見ようと思います。

    【水を汚しづらい餌】

    ・メダカブロス

    善玉菌(ひかり菌)
    GB菌(水質浄化菌)
    配合のキョーリンのフレークタイプの餌です。

    研究開発を重ね開発されたこの商品、一般家庭で普通に飼育されてるアクアリストにイチオシです。
    良いとこどりのこの商品が今後主役になることを期待します。
    デメリットはフレークタイプなので、慣れないと量の調整や残り餌が出ないように与えるのが少し難しいです。

    水が汚れないということは

    魚の健康に優しい
    水替え頻度も伸びるので飼育者に優しい
    ということ。

    色揚げ効果や嗜好性も良いので、僕はプロスシリーズの熱帯魚用をグッピーに使っています。

    メタガには何故使わないのかというと、
    販売者が色揚げ効果のある餌を使用すると、
    『メダカ屋とはこうあるべき』が強い方からご指導を受けることがあるからです。

    なので僕はどんな餌を与えているのか、しっかりとお客様に伝え販売しています。

    気持ちよくアクアライフを愉しんでいただきたい。
    望むことはそれだけなんですけどね。

    【長生きさせるために最適な餌】

    長生きさせるためには、消化の良いバランスの取れた餌を適量与えることです。

    適量というのが一番難しいところなんですが、メダカは与えれば与えただけどんどん食べてしまいます。
    可愛いからついたくさん上げてしまうんですよね。
    肥満にならないように注意して『少し少ないかな?』そう感じるくらいの量にすると良いですよ。

    それともう一つは与える時間帯です。
    消化不良を起こさないように日暮れの3時間前には、最後の餌やりを終えるようにしましょう。

    屋外飼育の場合は、春先と晩秋は体調を崩しやすい季節です。
    そんなときはキョーリンのメンテナンスフードに変えて上げると安心です。

    この餌はメダカの内蔵に負担をかけないように考えられた餌です。
    水温に合わて1日おき、3日おきと徐々に増やしたり減らしたりしながら与えて、フェードアウト、フェードインしていきましょう。

    長生きさせるためには環境の変化を与えないのが一番重要です。
    餌だけではなく水温、水質、照明を合わせて考えていきましょう。

    【キョーリンの餌を使う理由】

    ここまで見て、『随分とキョーリン押しするなー』と思う方もいらっしゃると思いますが、それだけの理由があります。

    キョーリンのHPをご覧になれば納得すると思いますが、
    こんなに研究開発されていて、そのことをしっかりと消費者に届けている会社が他にないからです。

    色々と試してみて、熱帯魚だろうが海水魚だろうが関係なく食いつきが良いエサ=キョーリンのエサだったという結果からです。

    以前スペースシャトルに乗せて、宇宙でメダカの繁殖実験のため連れて行くと話題になったことがありました。

    そのメダカの餌を作っていたのはなんとキョーリンです。
    消費者の餌の用途や考え方に合わせて、多種類の商品や販売価格を設定していることにも交換が持てます。

    海水魚や金魚、鯉などの餌でもキョーリンの餌は評判が良いんですよ。

    【湘南medakaで使用している餌】

    2022年現在使用している餌はこちらになります。

    ・おとひめ
    ・ゾウリムシ
    ・ブラインシュリンプ
    ・キョーリン メダカの舞シリーズ
    (色揚げ用のスーパーオレンジ以外)

    僕のメダ活は趣味、副業の延長で、本業ではありません。
    とはいえ販売するからにはプライド持って育てています。

    本業ではないことでのメリットは意外にたくさんあって、

    例えば、

    メダカ屋さんでは価格の面から使用することができない、高価な餌を使用することができます。

    メダカで生計は立てていないので、形の悪いメダカを無理して売る必要もありません。
    なので良いメダカがいない場合は売りませんし好きな品種しか育てません。
    広大な敷地もありませんし、流行りのメダカを追う必要もないので、品種を大好きなシャイナー、皇帝の2品種に絞って丁寧に飼育しています。

    【まとめ】


    長々と書いてしまいましたがお付き合いありがとうございました。

    ここで伝えたかったことは以下のとおりです。

    ・少量を少しずつ与える。
    ・配合やバランスを常日頃から研究し発信してくれている信頼あるプロに任せる。
    ・メダカをよく観察し、最適なエサを与える。
    ・エサ以外にも環境を考え、全体のバランスを整えることが大事。
    ・自分の考え、やりたいことを一番大切にして、無理のない餌をチョイスする。

    【毎日の餌やりで様々な効果が得られる〜人生が変わる給餌の方法】

    《餌やりの時間をしっかり取る》

    僕の餌やりルーティンは、朝の餌やりをメインにしています。
    夕方は帰宅が日暮れ間近なので、消化の負担を軽くするため少量与えています。
    休日は様子を見て、痩せてきたなと感じたら普段より回数を増やし、1日3~5回程度与えています。

    1日に1回だけは餌やりに時間を取ってよく観察しましょう。

    餌食いは良いか、
    病気になっていないか、
    体は痩せてきてないか、
    水やコケ、水草の状態、
    水温、
    野生動物に食べられてないか

    などをチェックすることで、メダカ飼育のレベルは格段に上がります。

    この朝のメダ活、メダカ飼育では勿論ですが、自分の日々のライフバランスにもとっても役に立っています。

    《メダカ飼育で人生も変わっちゃう最高な効果

    例えばこんなメリットです。

    ・規則正しい生活で健康に
    ・心も安定する
    ・習慣化することが簡単に出来るようになる

    ・察知能力や状況判断能力が身に付く

    毎朝仕事に行く前に、朝の時間を多く取るのは結構大変です。

    早く起きるためには、前日早めに夕食やお風呂を済ませて寝ないといけない。
    そのおかげで夜のネガティブで無駄な思考をする時間もなくなり、かなり頭がスッキリ健康になります。

    朝日を浴びることで、セロトニンが分泌され
    体の機能が快調になります。
    逆にメラトニンという物質が抑制され体内時計が安定し、快眠に繋がるという効果もあります。

    その他に、メダカの状況をくまなく確認することで、危険察知能力や状況判断能力が身につきます。
    大袈裟ではなく、周りの状況確認し最適解を見つけることは、仕事にとても役に立つのではないでしょうか。

    それに加えて規則正しい生活を送ったり、毎日の餌やりやお世話をすることで、どんなことでも習慣化させることが簡単に出来るようになります。
    習慣は人生を変えます。

    これは松井秀喜選手の座右の銘です。

    「心が変われば行動が変わる。」
    「行動が変われば習慣が変わる。」
    「習慣が変われば人格が変わる。」
    「人格が変われば運命が変わる。」

    松井さんは高校時代の恩師からこの言葉を教わったそうです。

    この言葉に感銘を受け、僕もずっと座右の銘にしています。

    朝ほんの少しのゆとりを取ることで、全体のバランスが整い、人生が潤うなら最高じゃないですか?

    生き物の飼育を子ども達には是非学ばせてあげてください。

    メダカを生かしてるのではなく、メダカに生かされてるんじゃないか

    そう思う今日このごろです。

    最後まで見ていただき有難うございました。

    メダカ飼育の身近な問題を解決することができ、役に立つことが出来ていたら何より嬉しいです。

    良いアクアライフを!

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