【メダカの卵管理】〜孵化する確率を上げるレベル別管理方法〜

    「卵の管理方法で困っていませんか?」
    採卵数が少なくて、やっと取れた卵をどうしても孵化させたいときってありますよね。

    ここでは、

    「面倒なことはせず、簡単に孵化させる方法を教えてー」

    という方から、

    「やっと取れた卵を確実に孵化させたい」

    という方まで、

    面倒な順に5段階のレベル分けをした管理方法をまとめました。

    お役に立てたら嬉しいです。

    確実に孵化させるために一番大切なのは
    『卵をカビさせないことです。』

    それでは詳しく見ていきましょう!

    目次

    【メダカの卵、何日間で孵化するの?】〜積算温度〜

    メダカの卵は、積算温度が250℃に達すると孵化します。

    積算温度というのは、例えば25℃の水温で管理した場合、

    250(積算温度)÷25(℃)=10(日)

    10日間で孵化することになります。

    実際には朝晩と日中で水温は変わりますので、およその目安となります。

    【孵化しない原因】

    孵化しない理由は以下の3つです。

    ・水温が低過ぎたり高過ぎたりする。

    屋外の場合、春先や秋の終わりは冷え込んで水温が低くなってしまうことがあります。
    20℃以上をキープすることを心がけましょう。
    逆に真夏は一日中陽のあたる場所に容器を置いていると、水温は40°近くまで上がってしまうことも。
    水温管理は難しく考えず、僕等が涼しいなと感じる場所に置くと良いですね。

    ・無精卵である

    産まれたての卵を採卵するとき、潰れてしまう卵は無精卵です。
    採卵できても暫くすると次第に白く濁ってきます。

    ・カビてしまう

    水が汚かったり、卵同士がくっついているとき、カビがカビを呼んでどんどん拡がってしまいます。

    【水温と水質】

    水温が低いと孵化するまで時間がかかるので、卵がカビてしまう確率も増えてしまいます。
    最低でも20℃以上は維持しましょう。
    また30℃以上の高水温で管理すると、ダルマ体型の仔が産まれやすかったりと思いがけないプレゼントもありますが、オスが増えるという研究結果もあります。
    適温は25〜29℃ぐらいの水温にして、9~10日間ぐらいで孵るようにすると良いでしょう。

    次に水質です。
    ‘’卵をカビさせないこと‘’が一番大切だとお伝えしました。
    水は20〜30℃の水道水を直接入れて大丈夫です。
    菌の繁殖が抑制され、カビ予防になります。
    エアレーションをすると、水が動き循環させることができるので、水が悪くなるのを遅らせることもできます。
    毎日水替えをしたり、「メチレンブルー」という魚病薬を入れるのも有効です。

    【メダカの卵を孵化させる容器】

    卵を入れる容器は、100円ショップなどで売られている小さなプラケースなどで充分です。

    プラケースの利点はたくさんあります。

    ・持ち運びが楽なので、卵の置き場所を工夫することで水温調整が簡単にできます。

    ・水量が少ないので水替えが楽。

    ・角がある容器だと卵を流してしまうことが減ります。

    ・透明なケースだと横からも卵を観察できます。

    たくさん仔を取って、形や色の整ったメダカを累代させたいときや採卵が思うようにいかず卵が少ない場合などは、少し工夫をすることで孵化する確率を上げることができます。

    それでは、

    「これなら面倒にならず出来そうだな」

    という所を見つけてみてください。

    【メダカの卵・レベル別管理方法】

    レベル1
    放ったらかし法

    一番簡単なのは、
    卵の付いた産卵床をそのまま別の容器に移すことです。
    この方法でも孵すことはできますが、カビた卵が有精卵にも移って全滅なんてこともよく起こることです。

    確率は下がりますが卵が沢山取れていて、採卵するのに困っていなければ、一番時間も手間もかかりません。

    レベル2
    エアレーション

    採卵した卵を別容器に移し、エアレーションをして水を動かします。

    水を循環させることで油膜もなくなり、水が悪くなるのを防ぎます。

    注意点は孵化した針子が泳ぎ疲れてしまう程、強くしないことです。
    孵化間近になったら、ほんの少し泡が出るくらいに分岐弁などで調整しましょう。

    レベル3
    水替え

    毎日水替えをします。

    水は全替え、カルキを抜いた水ではなく、あえて水道水を使います。
    水道水を使うことで雑菌が繁殖するのを抑え、カビの抑止効果が期待できるからです。

    レベル4
    付着糸をとる

    エアレーションをして
    毎日水替えをして
    付着糸を取り、卵をバラバラにしましょう。

    卵を水草などに擦り付けるために卵には付着糸と呼ばれる粘着性のものが付いています。

    これが卵同士をくっつけてしまい、カビる原因になります。

    付着糸はキッチンタオルやガーゼの上で、卵を指の腹でコロコロと転がせば簡単に取ることができます。

    それでもたくさんの卵があると、かなり面倒な作業です。

    大量に卵がある場合は、魚をすくうネットに卵を入れて、水道水を流しながらバラバラになるまで洗うのが楽です。

    産みたての有精卵は硬いので、これぐらいで潰れることはありませんが、目が見えているような孵化間近の卵は柔らかいので触らないようにしましょう。

    レベル5
    メチレンブルーで薬浴

    100円ショップのプラケースに水道水を入れ、メチレンブルーという薬を1~2滴入れます。
    手や洋服に付くとなかなか落ちないので注意しましょう。
    エアレーションの泡が飛び散るので透明な蓋をしておくと周りを汚さなくて済みます。

    3日に一度くらい全換水していれば問題ありませんが、1~2日置きにやるとなお良いです。

    無精卵やカビた卵は、青白くなるのでみつけたらスポイトで取り除きます。

    針子の容器に移すとき、なるべくメチレンブルーの水を入れないようにスポイトで吸って減らしましょう。
    少量ならグリーンウォーターが透明になったり、ゾウリムシが死滅したことは一度もありません。

    【孵化後の管理】

    針子が死んでしまう一番の原因は餓死です。

    グリーンウォーターゾウリムシを用意しておくことがおすすめです。

    飽和給餌することで餓死を防げます。

    グリーンウォーターにすると底に汚れが溜まりにくいというメリットもあります。

    ゾウリムシはペットボトルで豆乳で培養にすると匂いも少なくて簡単ですよ。

    この頃にエサが少なく、脂肪分が減ると20%のメダカがオスになるという研究結果もあります。

    ちなみに32~34℃の高水温でもオスが増えるという研究結果もあります。

    産まれてくる仔がオスばかりという方は、こんな原因があるのかもしれませんね。

    孵化した仔を別の容器に移すとき、オタマですくうのが一番安全です。

    沢山いるときはかなり面倒な作業ですが、網や大きなスポイトで吸ったりすると背骨が曲がったり死んでしまう原因になります。
    針子は繊細なので、触れないのが何よりです。

    エアレーションする場合は泳ぎ疲れないように水流に気をつけましょう。

    孵化後2~3日は、お腹にあるヨークサックから栄養を摂取しますので餌は与えなくて大丈夫です。

    まとめ

    ・カビさせないことが重要

    カビた卵や無精卵は取り除く。
    メチレンブルーを使えば青くなるので選別しやすい。

    ・水は水道水、少しだけエアレーションで水を動かすと傷みづらくなる。

    ・付着糸を取るとカビにくくなる。

    ・孵化した後のためにグリーンウォーターやゾウリムシで飽和給餌すると生存率が高まる。

    確実に孵化させたい方は、

    水温を20〜30℃。
    付着糸を取った卵を、メチレンブルーの水に入れ、エアレーションをする。
    毎日水替えをし、青白くなった卵は取り除く。

    このようにすると完璧です!

    コツさえつかめば、孵化させることはそれ程難しくありません。

    卵から孵化した針子たちが、立派に成長していく姿を愛でるのは、とても穏やかなひとときになるでしょう。

    最後まで見ていただき有難うございました。

    よいアクアライフを!

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