【メダカには産卵する条件があるって知ってましたか】
メダカに卵を産んでもらうには、2つの条件があります。
それは光量と水温です。
一日の日照時間が12~13時間以上、水温が20℃を越えたあたりから徐々に卵を産み始めます。
自然界では春先の4月頃から卵を付け始めます。それはちょうどこの条件に当てはまるようになるからなんです。
そして9月を過ぎたころから日暮れも早まり、10月頃には徐々に産卵しなくなります。
この光量と水温の条件さえ合えば、ずっと産み続けるというわけではありません。
産む日と産まない日を交互に繰り返し、間に小休止を挟みながら産卵します。
環境や個体によって小休止の期間は、
3日に1回だったり、
一週間に1回だったり、
一月に1回だったり
個体によって違います。
もし産まなくなっても、充分な餌の量を与えているなら、暫くは様子を見ましょう。
水替えして、新水で刺激を与えると産み始めることもあります。
ちなみにダルマ体型は30℃以上の高水温で管理すると産まれやすくなりますよ。
【メダカ屋さんたちが次々に改良品種を生み出せる理由】
人工的に産卵条件の〈日照時間〉と〈水温〉を作れば、冬場でも卵を産ませることができます。
室内に移しヒーターで加温して20度以上の水温を保ち、オンオフタイマーで照明を13時間以上点灯させてあげると良いでしょう。
メダカ屋さんたちは、冬場も採卵してるので、あれだけハイスピードで改良品種が次々世に生み出せるわけです。
1年間で6〜7世代ぐらい累代する方もいるそうですよ。
【どの産卵床がたくさん取れるのか】
メダカは卵を産むと水草などにこすり付けます。
水草などに付いている卵を見つけて採取するのはとても大変なので、卵を取りたい場合は人工的に作った産卵床が便利です。
各社から様々な産卵床が販売されていますが、商品によって卵を付けてくれる数に大きく差が出ます。
見栄えにもかなり影響しますし、失敗して新たに買い足す手間やお金を考えると、慎重に選んだ方がよいでしょう。
愛好家さんやメダカ屋さんたちは、お気に入りの産卵床を自作して楽しんでいたりします。
僕がいつも使っているものは『ころたまボール』と言われるもの。
ユザワヤでハリのある質の良いチュール素材を買ってきて自作しています。
真っ黒クロスケみたいで可愛いし、黒容器に入れると目立たなくなり、見た目を損なわないので重宝しています。
そしてなんと言っても一番採取率が高いのがこの『ころたまボール』です。
色々なメダカ系ユーチューバーさん達が検証実験している動画でも実証されている通り、ころたまボールの実力には信ぴょう性があります。
『あまり人工的なものを容器に入れたくないな』
『自然に近いかたちで産ませたいな』
そんな自然派の方には、ホテイ草がおすすめです。
人工的な産卵床もホテイ草を見立てたものが多く出回っていることから分かるように、かなり優秀です。
デメリットはプラナリアのような虫などが付いていたりするので、虫嫌いの方は慣れるまでちょっと大変かもしれません。
またメリットでもありますが、浄化作用に優れているので、グリーンウォーターにたくさんホテイ草を入れると透明になってしまいます。
【どうしても卵を産卵床に付けてくれないときは『親抜き法』】
お腹には卵を付けているのに、なかなか産卵床に卵を付けてくれないときがよくあります。
原因として考えられるのは3つ。
・親魚が食べてしまっている。
・底に落ちてしまっている。
・他の場所に産み付けてしまっている。
《卵を食べてしまっている》
メダカに卵を食べる癖が付いてしまうことがあります。
対策は産卵床に卵を産み付けたら早めに採取すること、腹ペコ状態に可能な限りさせないことです。
《卵が底に落ちてしまっている》
産卵床に上手く擦り付けることができず、底に落ちてしまっている卵は意外と沢山あります。
ヒレの長い個体やダルマ体型のメダカのように体型に特徴のあるメダカなどは特に多いです。
《他の場所に産み付けてしまっている》
水草やスポンジフィルターなど産み付けやすいものを入れていると、人口の産卵床に産み付けないことが多いです。
このようになかなか採卵出来ないときは、違う容器に親魚を移す『親抜き』を試してみましょう。
やり方は簡単、親魚を別の容器に移すだけです。
容器の底に落ちている卵を吸わないように、飼育水の上澄みを半分別の容器に移し、親魚を移動させます。
あとは水替と同じです。
普段食べられてしまったり、水替えなどで排水してしまっている卵が意外と多いことに驚きます。
【産まないときの対処法】
折角買った高級なメダカが、全然卵を産んでくれない。
そうこうしてるうちに、死んでしまった。
こんなときは、本当にがっかりしてしまいます。
メダカが卵を産まない原因をあげてみます。
・そもそもオスとメスのペアではない
・老魚で卵を付けにくい
・ペアの相性が合わない
・体調不良
・環境の変化で一時的に産まなくなった
・産卵サイクルのたまたま付けない時期である
・遺伝的な異常があり、その個体に卵を産む能力がない
・体型的な特徴で交配が難しく、有精卵を産みづらい
こんな感じでしょうか。
《オス・メスのペアではない》
松井ヒレ長のようなオス・メスともにヒレが長くなる品種の場合は、成魚になると見分けるのが難しくなります。
ネット販売されている方の中には、〈※購入時の注意点〉などで『雄雌の判別は100%ではございませんので、、、。』と表記してあったりしますので、先ずはオスとメスなのか疑ってみてください。
ずっと前に極龍の稚魚を10匹、ネットで買ったことがあったのですが、全部オスだったときは本当にショックでした笑
《老魚である》
老魚であることは決して悪いことではありません。
メダカは大事に育てれば2〜3年は生きてくれますし、長年育てていると愛着も湧いてきます。
時が経てば経つほど大きく美しくなり、観賞価値は最も高くなります。
産卵数は個体の持っている卵母細胞の数で決まってくるそうで、産卵が終わるとメダカは次第に弱ってきて寿命を迎えます。
つまり老魚になると産まない訳ではなく、死ぬまで産み続けるということです。
ただ歳を重ねていくと条件がシビアになり、産みづらくなる印象はあります。
その点、若魚や成魚に成りたての個体は、卵の付け方には勢いがあります。
《ペアの相性が合わない》
相性が合わないために、交配しないことはよくあります。
そんなときは2〜3ペアの複数匹で育てたり、
オス・メスを同じ大きさにすると良い結果が出ます。
《体調不良・栄養不足で痩せている》
先ずはどうして体調不良になっているのか考えましょう。
・日光不足
メダカは日光を浴びるとビタミンを生成します。
ビタミンは骨格形成にとても重要です。
・栄養不足
エサ不足で痩せている個体はなかなか卵を付けてくれません。
餌の量を増やすことですぐにまるまると太るようなら問題ありませんが、
思うように太らない個体は、グリーンウォーターで飽和給餌して様子を見ます。
痩せている個体を太らせたい場合ミジンコが一番の特効薬です。
消化不良は糞で見分けが付きます。
太く切れる糞を出しているときが良い状態です。
だらだらと長く垂れている糞をしているときは消化不良を起こしています。
そんな時はキョーリンから出ている「メダカの舞メンテナンス」という餌を与えたり、ミジンコやブラインシュリンプなど活餌を与えると良いでしょう。
【体型的な特徴で交配が難しく、有精卵を産みづらい】
ダルマ体型やヒレの長いメダカはあまり交尾が上手ではありません。
ヒレが長くなる前の若魚のうちに採卵しておくか、3ペアぐらいで一緒に入れて交配させると確率が上がります。
【その他考えられる要因】
・遺伝的な異常があり、そもそもその個体に卵を産む能力がない。
成長がやたらと遅かった個体や癖のある個体に多いと感じます。
上見だと凄く綺麗なのに、横から見ると背骨が曲がっている。
人工餌を食べるのが下手で、加えてもすぐに吐き出してしまう。
ものすごく大人しくて追っかけ回されやすい弱い個体だったり。
そんな個性のある仔達ほど愛着が湧きます。
僕は、そんな仔達はビオトープに少なめに入れたり、室内水槽に移し、食いの良いブラインシュリンプを与えて楽しんでいます。
【まとめ】
・高タンパク質の餌を与え、やや太らせ気味に育てる。
・複数ペアで育てる。
・良い水質、適水温でストレスのない環境で育て、たまに水替え(新水)で刺激を与える。
このように並べてみるととてもシンプルで、《基本的な育て方》が一番良いということが分かりますね。
《水質の良い水と適水温で栄養価の高い餌を与え、複数匹で育てることで餌食いも良くなり活性も高まる》
このような状態をキープしながらメダ活を愉しんでいれば、自然とメダカ達も抱卵してくれますよ。
最後まで見ていただき有難うございました。
愉しいアクアライフを!